成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学
こんにちは!鳥貴士です!
今回は「成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学」をおすすめします!
成功は一番能力の高かった者が得る。
よく主張されている言説ではありますが、実はそれはまやかしなのです。
「成功する人は偶然を味方にする」では、実力主義が幻想であることを単純な実験や個々のエピソードを通じて明るみに出していきます。
章立て
第1章 わたしが知るかぎりのことを教えよう
第2章 なぜささいな偶然がきわめて重要なのか
第3章 「ひとり勝ち市場」における運
第4章 一番成功する人は、一番有能な人ではない
第5章 努力と才能の誤解はこうして広がる
第6章 「努力したから成功できた」の罪
第7章 黄金のチャンスをつかめ
第8章 まわりに感謝する
なぜおすすめなのか?
成功には確かに高い能力が必要で、それは確かに努力によって得ることが可能なものです。
しかし成功するかどうかは、その誕生から今に至るまでのありとあらゆる偶然の事象によって大きく変わるのです。
「成功する人は偶然を味方にする」は偶然の事象と成功の関係、そして努力したから成功できたという考えの危うさを主張しています。
したがって本書を読むと
- もっとも優秀な人がもっとも成功するというわけではないことがわかる
- どんな考え方が最もみんなの幸福度を高めるのかがわかる
- 成功者におきた偶然の出来事が、いったいどの程度成功にかかわっているのかわかる
ようになるのでおすすめです!
どんな人におすすめなのか?
「成功する人は偶然を味方にする」では、運と実力の関係性を明らかにします。
また実力主義の実態と隠されたその弊害についても明らかにします。
そこで
- テストで一番を目指している人
- 成功は努力だけによるものと考えている人
におすすめします!
テストで一番を目指している人
「成功する人は偶然を味方にする」は、成功と運の関係性を論じた本ではありますが、運があれば成功できると主張しているわけではけっしてありません。
本書は努力の必要性もきちんと指摘しています。
それではあなたは、一番を取ることの意味を正しくとらえられていますか?
簡単な実験で、運がどのくらい一番を取ることに寄与するか、実力は一番をとることに関してどのくらい必要なのかを判断することができます。
正の数であらわされる実力ステータスの最大値を100として、その100のステータスを1000分割して並べます。
その一つ一つのデータを一人の人と見立てます。
だから2番手のステータスは99.9になります。
運のステータスも同様に最大値を100にして、この間の正の整数値をランダムに一人にずつ割り当てます。
このときの期待値は55になります。
さて、実力ステータスを0.98倍、運ステータスを0.02倍して和を取り昇順にランキングを作ります。
この和が一番上の場合に、実力ステータスが一番ではなかった確率は何%だと思いますか?
これを理解することで、一番を絶対取らないといけないという呪縛から解放されること請け合いです!
成功は努力だけによるものと考えている人
今のあなたは、誕生したときから今に至るまでの、数限りない無数の偶然に形作られています。
ではなぜそう言えるのか。
まずあなたは生まれました。
そこには連綿と続いてきた家族の出会いの歴史があり、そのピースが一つでも欠ければあなたは生まれていませんでした。
続いてあなたは私の記事が読める、快適なインターネットにアクセスできる環境に生まれました。
そしてあなたはこの記事を読める言語圏である日本に生まれました。
その中であなたはこのブログを読めるぐらい暇な時間を用意できる程度に裕福な環境です。
そんな恵まれた環境に生まれる確率だけでも相当低いのです。
その中で重要な人や友達に出会う確率、ラッキーに遭遇する確率、重要なアイデアや考えに出会う確率、それらを考えてみましょう。
きっと途方もなく低いはずです。
今のあなたが成功していてもそうでなくても、今のあなたという存在は偶然に大きく左右されています。
それが途端に成功になると、運ではなく努力が重要であると主張されるようになります。
でもそんな人でも、基本的な条件や出会いなどを考えてみればほとんど偶然によるものです。
確かに努力はしてきたでしょう。それを本書で否定するわけではありません。
ただその努力が報われる環境があった偶然については目を背けるべきではないと主張しているのです。
そしてその考え方は自分だけではなく、ほかの人の幸福度を大きく下げる悪影響があるのです。
成功が完全に努力によるものであるという考えは、公共投資を減退させます。
あなたの成功は先人の公共投資の恩恵を受けています。
交通であれば道路。治安維持のための警察、通信設備など。
これらは先人たちが公共投資をしてきたからこそ、今使えるのです。
もしあなたがやさしいのならば、ぜひ本書を読んでみてください!
人や世界にもっとやさしくなれるはずです!