発端
発端はこのツイート。
あと既存の家のデバイス(キーボードやマウス、スピーカーなど)を極力活用したい。
— tori@Hint開発 (@tpctori) March 22, 2022
これを頑張って満たす環境を作ってみたという記事です。
最近スタバでMac(笑)しすぎなので、家の環境を充実させて引き込もりライフを便利にしたら、スタバでイキることもなくなるかなと思って。
あとせっかく持っているお高いキーボードとマウスを活用したいという思惑もあります。
ケーブルを買ってから2, 3か月くらい放置していたのですが、いい加減ケーブルが邪魔になってきたので、重い腰を上げてやってみました。
結果は成功!
マルチモニターとこだわりのキーボードとマウスがあるなら、クラムシェルモードとKMスイッチを組み合わせたら神環境が生まれます。
作りたい環境
- Windowsを搭載したデスクトップPCでトリプルモニターが使える(現環境)
- MacBook Pro 16インチ(M1 MAX)でトリプルモニターが使える
- Windows PCでゲームをするので、低遅延が望ましい
- キーボードとマウスは極力既存のものを活用したい
- ワンタップで入力を切り替えられる
中央のモニターはMacでも映ってほしいが、映らなかったらMacをクラムシェルモードではなく左右のモニターをデュアルディスプレイとして使うこともできる
前調査
MacBook Proの外部ディスプレイ出力の対応状況
Appleのサポートページによると、macOS Monterey 12の時点で
外部ディスプレイ、プロジェクタ、またはHDTVを14インチまたは16インチMacBook Proで使用できます。MacBook ProのHDMIおよびThunderboltポートはビデオ出力に対応しています。60Hzで最大6Kの解像度を持つ外部ディスプレイを最大2台(Apple M1 Pro)、または60Hzで最大6Kの解像度を持つ外部ディスプレイを最大3台と最大4Kの解像度を持つ外部ディスプレイを1台(Apple M1 Max)接続できます。
だそうです。
M1 Max選択して良かった。
MacBook Pro 16インチモデルの映像出力にかかわるポートは、3つのThnderbolt 4ポート。そして1つのHDMIポートです。
出典:https://www.apple.com/jp/macbook-pro-14-and-16/
MacのDisplayDock
https://www.hyperjapan.jp/hp48042/
こんな商品を見つけて、とても良いのでは?と思ったものの、いかんせん発表直後なので情報がない…。
ネットで色々探したところ、下記のクラウドファンディングページを発見
Triple 4K Display Dock for MacBook Pro 2016-2021 | Indiegogo
IndiegogoのクラウドファンディングのDiscussionを見てみると、あまりHyperの評判はよくなさそうです。
30Hzしか対応していないというのはちょっと微妙ですね。
KVMスイッチ
調査過程で初めて知ったのですが、私がやりたいことはKVMスイッチで実現できるようです。
KVMスイッチとはKeyboard Mouse Monitorをスイッチ一つで簡単に切り替えるスイッチのことを言います。
ただ調べた結果、キーボードとマウスの出力はともかく、映像出力までまともな品質を求めるとかなり高価になってしまうことがわかりました。
KMスイッチが予算と効用を考えるとちょうどよさそうです。
計画をたてる
方向性を策定
今回はすべての条件を満たせるアイテムを予算制約のもとでそろえることができませんでした。
ということで満たす条件と妥協点をリストにします。
満たす条件
- Windowsを搭載したデスクトップPCでトリプルモニターが使える(現環境)
- MacBook Pro 16インチ(M1 MAX)でトリプルモニターが使える
- Windows PCでゲームをするので、低遅延が望ましい
- キーボードとマウスは極力既存のものを活用したい
妥協点
ワンタップで入力を切り替えられる
これはモニターの入力切替をモニター1台ずつ切り替えることで対応したいと思います。
モニターが3台あるので地味にだるいのですが、仕方ありません。
完成イメージ
なんか多層パーセプトロンみたいな図になりました。
- 上3つがモニター、中段左がデスクトップ、中段右がMacBook Proです。
- 中段中央がスイッチで、そのやや下にUSBのハブが接続されています。
- 下段はキーボード、スピーカー、Webカメラ、ゲーミングマウスです。
下段のデバイスをデスクトップとMacBookの間でカンタンに切り替えたい…!というのが主な要件ですね。
それではお買い物をしていきます。
いざ実行!
最終的に買ったもの
Amazonで一通り買いそろえました。
こちらは普通のHDMI-HDMIケーブル1つとHDMI-Type-Cのケーブル2つ。
MacBook ProにはHDMIポートが1つあるのでこのようなケーブル構成になっています。
KMスイッチ(一番右)の入力ポートが2つしかないものが大半だったので、②USBポート(一番左)を購入しました。
真ん中のUSB Type-AとUSB Type-Cの変換ケーブルは、MacBook Proの出力端子がType-C(正確にはThunderbolt4)しかないため購入しました。
ここで注意しておきたいのは、中央の変換ケーブルのType-A側はオスではなくメスの端子という点です。
PCやモニターと接続
まずは映像出力
まずはクラムシェルモードで映像の出力がうまくいくのかを検証します。
買ってきたType-C-HDMIケーブル2本とHDMI-HDMIをMacBook Proにぶっ刺します。
MacBookを置きたい場所に移動させます。
まずは一番右のモニターに対して出力できるか試してみます。
うまく出力されました!
MacBookの本体情報が外部モニターに表示されていますね。
3台すべてに出力できました!
モニターが認識された順番とモニターの位置があっていないので、ディスプレイの設定からモニターの位置関係を調整しました。
クラムシェルモードをONにするための条件は「電源に接続されていること」なので、電源をつなぎます。
はい!クラムシェルモードが有効になっていますね!
一番右にあるMacBookは閉じていますが、映像は出力されていて、一番右の画面にDockが表示されています。
映像に関してはこれで問題なさそうですね!
KMスイッチの動作チェック
今度はKMスイッチの方をセットしていきます。
- 上の2つのUSB Type-A出力端子は出力先のパソコンに刺すものです。
- 一番下のものがスイッチで、このボタンを押すと出力先を切り替えることができます。
- その1つ上の複数のケーブルが生えているものは、キーボードとマウスの入力端子です。
今回はキーボード、マウス、Webカメラ、スピーカーとデバイスが2つより多いので、ハブを生やします。
まずMacBook側への出力がうまくいくのかを検証するため、Type-CとType-Aの変換ケーブルを接続します。
こんなアドホックな解決策でうまくいくかなあ…。
空いているポートが1つあるので刺します。
KMスイッチが点灯しました!接続できていますね。
デスクトップにもつないでみます。
少しわかりにくいですが、手で持っているスイッチの明かりがオレンジから緑に変わっています。
デスクトップとMacBookの両方を認識できていることが確認できました。
KMスイッチとUSBハブの結合テスト
ここから先は原理的にはうまくいくはずですが、あまり類例を見ない試みなので緊張の瞬間です。
KMスイッチとUSBハブと4つのデバイスを接続します。
まず4つのデバイスの出力端子を引っ張り出してきます。
引っ張り出したらUSBハブに全部接続します。
KMスイッチと結合。うまく動くかな…。
ちょっと遠いですが右のモニターを見ると、キーボードが認識され初期設定ウィザードが出てきています!
スイッチのボタンを押した後の切り替えについても問題ないことが確認できました。
無事動作して安心しました!
ケーブルを裏に押しやる
動作確認が終わったらいったん解体して絡まったケーブルたちをほどき、適切な場所に配置します。
裏に置きやすいように接続。
このKMスイッチとハブの接合部も使わないので裏方に押しやっておきます。
諸々のデバイスの結合部を裏に押しやって、KMスイッチだけ押しやすい位置に配置します。
これでデバイスの信号の出力先をワンタップで切り替えることが可能になりました。
そしてMacの環境でもお気に入りのキーボード・マウス環境で操作できるようになりました!
めでたしめでたし!
後記
よくよく考えたら、HDMIの2入力1出力の分配器が3つあれば、モニターの入力切替を簡単に行えるようになりますね。
KVMスイッチなんて用意しなくてもできそうです。
気が向いたらいつかやりたいと思います。